23.坂本龍馬の手紙 乙女、おやべあて(慶応元年その2)

坂本龍馬の手紙 乙女、おやべあて

慶応元年9月9日(1865)

(現代語訳/部分)
あの私がいた茶座敷の西の通りがある、その上に竹を渡してあり、絵とか字とか何か、唐紙(とうし)に書いたものがあります。その中に(高松)順蔵さんの書いたものがあります。送って下さい。
そして短冊箱に、母上、父上の歌、おばあさんの歌、権平兄さんの歌、お前さん(乙女)の歌があります。どうぞ父上母上おばあさんなどの亡くなった年月日を、短冊の裏へ書き記して送って下さい。

(高知県立坂本龍馬記念館『龍馬書簡集』より)

※坂本龍馬の家系は代々文学の素養に恵まれ、龍馬の祖母は坂本家五代目直澄の妻で国学者の娘、父八平直足は、国学者で万葉学者 鹿持雅澄の門下というように、兄姉、父母、祖母などが多くの歌を詠む血筋と家庭の雰囲気の中で、龍馬もその感性を受け継いだ。
多くの手紙のほか和歌、俚謡なども遺され、別の角度から龍馬の心ばえを知ることができる。

(高知県立坂本龍馬記念館『案内図録』より)