22.源太の俳句・龍馬の和歌

[源太俳句]

〇  不二よりは下の仕事や夏の雨
〇  嫁入に逢ふや師走の 町はつれ
〇  見て居ても腹の減よき 角力哉

吉村寅太郎氏 贈位の立有るを見て 一句を結ぶ(明治30年4月24日)
〇  藁屋根や軒にしたたる春の霜

石田英吉死亡の時の手向けの句(明治34年4月15日)
〇  光る名の雲に入けり 花に鳥 半仙
〇  親に似た 人顔もなし 盆の月
〇  一筋に往くと思えど 朧ろかな (辞世)
〇  三椏や二十五年の 花の春

[龍馬和歌]

〇  世の人は われをなにとも ゆはばいへ わがなすことは われのみぞしる
〇  丸くとも一かどあれや人心 あまりまろきはころびやすきぞ
〇  藤の花 今をさかりと咲きつれど 船いそがれて見返りもせず
〇  かぞいろの 魂やきませと古里の 雲井の空を仰ぐ今日哉
〇  世と共にうつれば曇る春の夜を 朧月とも 人は言ふなれ