10.コンニャク版印刷って?

コンニャク版印刷って?

明治時代から昭和の中ごろまで使われていた事務用などの簡易な印刷方法に、コンニャク版があります。英語ではヘクトグラフと呼ばれた方法です。ヘクトは100の意味で、今では各種のデジタル機器で簡単にコピーが取れますが、当時は100枚程度でも画期的でした。日本ではコンニャク粉を型に流し固めた版面も作りましたが、ゼラチンや寒天にグリセリンを加えて固めた版面が主流で、コンニャク版は通称だそうです。
複写の方法は、まず、寒天などで作った板の上にアニリン染料入りの鉛筆で紙に書いた原稿を置き、転写して版を作ります。それからコピー用の紙(吉井源太のコッピー紙も使われました!)を版の上に置き、圧力をかけて複写します。明治中期に日本へ輸入され、謄写版(ガリ版)ができるまで、オフィスや学校で主流の印刷方法でした。ただ、印刷物の長期保存は難しく、ほとんど残っていません。

※参考/凸版印刷(株) 印刷博物館資料