1.会場あいさつ

「吉井源太と日本製紙論」へようこそ

紙の博物館企画展「吉井源太と日本製紙論」にご来場いただきまして、まことにありがとうございます。
いの町の土佐和紙の発展は、吉井源太の存在なしには語ることはできないと考え、紙業界の恩人と呼ばれる源太について、村上弥生氏の監修のもと、数回にわたりご紹介してきました。
このたびの「吉井源太と日本製紙論」では、幕末から明治にかけて取り組んだ「コッピー紙」や「図写紙」、「兵士用防寒紙」などの多様な和紙の開発に焦点をあわせました。それは、従来の目的であった<書く>から進化し、<写す>、<保温する>といった先進的な機能を和紙に持たせるものでした。
著書である『日本製紙論』や日記から、時代が求めていたものとは何だったのか、またその要求を満たす和紙の開発にかけた源太の情熱に迫ります。紙漉(す)きでありながら、常に世界に目を向け、前に向かって進む強い行動力があったからこそ成し得たことであり、産業人たる吉井源太の情熱が感じられます。その情熱をお伝えできれば幸いと存じます。
本展では、観覧の機会の無かったいの町文化財に指定されている源太の日記全冊を初めて公開展示し、あわせて関連収蔵品もご覧いただきます。
末尾になりますが、開催にあたり展示資料の提供にご協力をいただきました関係各位の皆様方に、厚くお礼を申しあげます。

平成25年1月

いの町 紙の博物館