12.典具帖紙の原料と特徴

【土佐典具帖紙の主な原料】

楮の中でも特に繊維が短く溶けやすい、光沢に富んだ、主に仁淀川流域産の優良な赤楮。その白皮(本晒し)を編み楮(そ)にしたものを使用する。本晒しは製紙原料として最も加工度の高い仕上げ方法

高知県は和紙の三大原料である楮・三椏・雁皮の、全国有数の産地。楮は成長が早く、毎年収穫ができる。

【楮畑(かじばた)のようす】

―いの町吾北・上八川(野村敏夫)
(1)急斜面の棚田(以前は蚕用の桑畑)
株は植えて約40年ほど。古いもので100年ものもある。風通しの良い南向きの斜面。粘りの少ない土。

土佐典具帖紙の原料となる赤楮の葉は、切れ込みがなく丸い

上八川の楮畑より南東を望む

40年生の株

100年生の楮

(2)田んぼのそばの平坦地
田んぼと同じ土。成長が早く、枝がたくさん出る。

田んぼと続いている楮畑。土の関係で成長が早い。

稲刈りの後に出てくる2番手の稲を刈って、両方の楮畑へ肥料にまいている。

【栽培方法】

この生産者は芽欠きをしない。霜が来たら葉は落ちる。収穫は11月24日の秋祭りが済んでから。化成肥料は4月に入れる。カヤを敷くのは肥料と雑草を防ぐため。今でも収穫後、2月まで原料の川晒しをする。

【助け合って草(くさ)蒸し】

80年ほど前には「楮」とは言わず、「草」と呼んでいた。収穫後に蒸すことは「草蒸し」。「いい」(結い)で近所が助け合った。以前は窯に4回蒸したが、今は半分。蒸すための甑(こしき)が倉庫にしまってある。

愛用の甑