5.ニッポン高度紙の新機軸

ニッポン高度紙工業の新機軸
―先端技術で電気産業と歩む薄紙―

太平洋戦争で謄写版原紙やタイプライター原紙が輸出できなくなった時、典具帖紙の新たな展開が始まった。

薄くしなやかな典具紙を、繊維の成分であるセルロースを溶かした液(ビスコース)に浸けて定着・乾燥させると、水に強い紙となる。高知工業高校の先生が研究したこのアイデアに、紙業関係者をはじめ資本家たちが出資し、新分野の紙会社が誕生した。現在のニッポン高度紙工業(株)である。

昭和16年(1941)に誕生した最初のビスコース加工紙は薬の煎じ袋(ティーバッグ)が主な用途だった。2年後には「電解コンデンサ用セパレータ」の用途を開発、戦後は電子産業界で注目される。さらに昭和36(1961)年には高密度の紙と低密度の紙を合わせて一枚に漉いた二重紙の製造に成功し、世界市場へ進出した。

電子機器類は、電解コンデンサがないと動かない。その中に、アルミ箔と一緒に極薄の特殊な紙が巻かれていて、これが電解コンデンサ用セパレータである。ニッポン高度紙工業(株)(本社高知市)は現在、コンデンサ用セパレータの供給で、国内95%・海外60%のシェアを担うトップメーカーである。