0.土佐典具帖紙とは

土佐典具帖紙とは?
―現在も進化し続ける楮の薄紙―

「かげろうの羽」と呼ばれる、厚さ0.03~0.05mmの手漉き楮紙。後に機械でも抄かれる。典具帖紙は土佐を代表する紙の一つだが、そのルーツは美濃から始まった紙で、古来多くの名称で呼ばれてきた。

明治13(1880)年に吉井源太は、この紙の今後の用途に期待して持ち帰った。源太が改良した大桁と、古くからの技法・紗漉きとの組み合わせで、典具帖紙は新しい生命を得たといえる。

その薄さと強靱さが評価され、輸出への道が拓かれた。「テング」はそれ以前に源太が開発していたコッピー紙とともに、輸出の二大ヒット商品である。

典具帖紙はタイプライター原紙などの用途で欧米へ大量に輸出されたが、粗製乱造によって評価を落とし、岐阜経由で輸出された時期もあった。また、世界恐慌のため、昭和の初めから戦後までは他の紙と同様、生産量が激減した。

しかし、この紙によって世界とつながった伊野の人々の技術と誇りは、現在も姿を変えて進化している。